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約束の行方 (2) [小説: 約束の行方]

生まれた時からこうなることが決まっていた。
そうとしか思えない。
2005年3月20日。
明日は、私の誕生日。忘れたくても忘れられない日だ。
30歳、ということは、もうあれから10年が経ったということだけれど、私も少しは成長できているのだろうか。
今年も懺悔のために1年ぶりに実家に帰る。
今月は年度末で仕事が山積みだ。連日残業で家に帰るのは日付が変わってから。
土曜日の今日も出社して、ウィークデイに片付かなかった仕事の処理をしてきた。
ふくらはぎにあたる暖房の温かい風と適度な揺れから眠気に襲われるのも無理はなかった。
疲れが蓄積した体はなんとなくだるい。
終点までまだ一時間はある。
五時を過ぎて、太陽は既に建物の向こうに隠れ、夕焼けのやわらかなオレンジ色が世界を覆っていた。
重たくなる瞼を、そのまま下ろす。
本当に、くたびれた。こうして日々を生きることにも。


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